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今だから雑誌を作りたい! 雑誌づくりのノウハウが詰まったATLANTS ZINE。

投稿日:2017年8月15日 更新日:

最近ではKindleやdマガジンで読みたい雑誌のほとんどは電子書籍で手に入るようになりました。

それでも、電子雑誌で気軽に飛ばし読みするのではなく、紙の手触りを楽しみながら1ページずつ丁寧に読み込んでいく。そんな、紙の雑誌でなければ味わえない、特別な高揚感があることもまた事実です。

紙というメディアは簡単に捨てられてしまう反面、それを気に入ってくれた人の手元にはずっと残る可能性も秘めています。

Webの情報は「通りすぎる」だけのものですが、紙だからこそ表現できるテーマも確実に存在しているのではないでしょうか。

今回見つけた「ATLANTIS ZINE」は、今、あえて紙媒体で雑誌を作り上げるまでの思考過程を、全6号で追って行くZINEです。
とても素晴らしい内容で、本屋で見つけた瞬間、レジに持って行きました。



ZINE(ジン)とは、商業出版には乗らない個人ベースの出版物で、だからこそ尖ったテーマの本が多いことが特徴です。

制作しているのは「NEUTRAL」「TRANSIT」と言った、独特の世界観をもった雑誌を作った加藤直徳氏。
現在(2017年8月)までに発刊されているのは第1号と第2号です。

実績のある加藤氏が制作しているだけあって、内容は濃く、誌面はデザインセンスに溢れています。

全6号の予定表。各号のテーマは「名前とコンセプトを決める」「追いかける特集を並べる」「コンテンツを磨く」「文献を紐解き、取材をする」「フィールドワークへと旅だつ」「デザインと言葉を整える」となっており、雑誌を制作する過程が1号ずつのテーマになっています。そして、各号ともに誌面サイズが違うというデザインのこだわりも垣間見えます。

ATLANTIS ZINE 第1号「雑誌アトランティスができるまで」
なぜ雑誌を作るのか、という内観からスタートする今号には、西原理恵子氏の漫画で「すえいどん」としても登場するパチンコ必勝ガイドの編集長、末井昭氏のロングインタビューも掲載されています。他にも雑誌knockの西山勲氏のインタビュー、写植についての考察、そして「雑誌ATRANTIS」の紙名やコンセプトを決定するまでの思考過程が掲載されています。

ATLANTIS ZINE 第2号「雑誌アトランティスができるまで 水平線の彼方へ篇」
第2号も充実の内容。インタビュー記事はなんと横尾忠則氏と雑誌Spectatorの編集長、青野利光氏が登場しています。雑誌制作過程として「特集を決める」「判型を決める」が掲載されています。

ATLANTIS ZINEは、一度でも「雑誌を作ってみたいな」と思ったことのある人にとって、とても充実した内容のZINEになっています。雑誌を制作する過程は、雑誌制作のみならずWebなどのコンテンツを考える上でも非常に参考になる情報に溢れています。

ZINEという形式をとっているので、普通の書店では販売されていませんが、好きな人にとっては探してでも手に入れる価値はある本です。
現在の取り扱い店舗は、下記のサイトで確認可能です。

HIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS
http://www.shibuyabooks.co.jp/publishing/atlantis_info/

公式Twitter @PLANCTON_KATOH



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